塩野義は9月、最終段階の臨床試験(治験)のデータを公表した。軽症・中等症の患者が1日1回、5日間服用し、鼻水や発熱、せきなど5症状が消えるまでの時間が約8日から約7日に短縮することを示した。ウイルス量減少も報告した。
厚労省は塩野義との間で100万人分の供給契約を結んでいる。感染拡大「第8波」の本格化が懸念される中、承認後は早期に医療機関への供給が始まるとみられる。
軽症・中等症向けの飲み薬は現在、米メルク製や米ファイザー製が実用化されている。いずれも投与対象は重症化リスクのある人に限られる。
薬事・食品衛生審議会(厚労相の諮問機関)の分科会と部会の合同で審議した。治験途中の中間解析に基づく7月の審議では「有効性を示すデータが十分でない」として継続審議としていた。
緊急承認の場合、通常の承認を取り直す必要がある。1年ほどの期限内に効果を確認できなければ、承認は取り消される。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA215CG0R21C22A1000000/